ピーナッツ型の横頬はなぜこけ、フィラーを入れすぎると口を開けたときに頬が出っ張るのはなぜですか?
キム・セリム院長 ·
ピーナッツ型の横頬のこけは、頬骨の下から真皮まで続く線維性の支持靭帯(頬骨皮膚靭帯・上咬筋皮膚靭帯)が皮膚を深部へ強く引きとめることで生じます。この引く力のため、こけた部分にフィラーを入れても周囲に広がりやすく、量を増やすと口を開けたときに両頬が出っ張って見えます。そのためSERENEクリニックでは、凝集力の高いニュービアを1cc未満に分けて入れます。
ひと目でわかるポイント
- 対象
- 頬骨の下の横頬がくぼみ、頬骨とフェイスラインの間の輪郭がくびれて見える顔(ピーナッツ型)
- こける原因
- 頬骨の下の支持靭帯(頬骨皮膚靭帯・上咬筋皮膚靭帯)が皮膚を深部に固定
- 主に使う製品
- ニュービア(PEG架橋ヒアルロン酸フィラー)
- 使用量
- 1cc未満で足りる場合が多い。診察後に決定
- 量を増やすと
- フィラーが周囲に広がり、口を開けたときに両頬が出っ張って見えることがある
- 回復
- すぐに日常生活可能、腫れ・内出血は数日〜2週間(個人差あり)
- 料金
- 輸入 ニュービア 1cc 550,000ウォン(2026年10月メニュー基準)
ピーナッツ型の横頬はなぜこけるのですか?
ピーナッツ型の顔とは、頬骨とフェイスラインが相対的に目立ち、その間の横頬がくぼんで、正面から見ると輪郭が中央でくびれて見える形をいいます。このくぼみは、頬の脂肪が減ることだけで生じるわけではありません。
顔の皮膚は、支持靭帯(retaining ligament)という線維性の構造で深部の組織に固定されています。支持靭帯は骨や深部の筋膜から始まり、皮下脂肪を通って真皮まで続き、皮膚と軟部組織を所定の位置に保ちます[1][2]。
ピーナッツ型の横頬がこける場所は、こうした支持靭帯が強く集まっている部分です。頬骨の下で皮膚を深部へ引く力が大きいため、周囲の組織に比べてその部分だけがくぼみます。
頬骨の下にはどんな靭帯がありますか?
頬骨皮膚靭帯(zygomatic cutaneous ligament)は、頬骨の下縁と頬骨弓に沿って骨から始まり、真皮まで続きます。Furnasは、この靭帯が小頬骨筋の起始部のすぐ後方で頬の皮膚を頬骨の下縁に固定していると記述しました[1]。代表的な束は耳の前の耳珠(tragus)から約4.5cm前方にあり、別の解剖研究では耳珠の前方3.9〜4.8cmの範囲で測定されています[3]。2025年の組織学的研究では、骨膜から真皮まで途切れずに続く緻密なコラーゲン線維の束であることが確認されました[4]。
上咬筋皮膚靭帯(upper masseteric cutaneous ligament)は、噛む筋肉である咬筋の前縁に沿って咬筋の筋膜から始まり、SMAS(表在性筋膜)と皮膚をつなぐ線維組織です[3][5]。頬骨皮膚靭帯と上咬筋皮膚靭帯が集まる頬骨下の約3×3.5cmの領域は「McGregor's patch」とも呼ばれ[3]、2つの靭帯の間隔は平均13.3mmと報告されています[4]。
ただし、2つの靭帯の正確な範囲は研究によって記述が異なり、位置や厚さにも個人差があります[3]。そのため横頬のフィラーは決まった座標ではなく、それぞれのくぼみの範囲と靭帯が引いている場所を直接確認してから設計します。
フィラーを入れすぎると、なぜ口を開けたときに頬が出っ張るのですか?
靭帯が皮膚を深部へ引きとめる力が強いため、くぼんだ部分にフィラーを入れても、その部分は簡単には持ち上がりません。入れたフィラーは、靭帯が支えている場所より抵抗の少ない周囲の組織へ押し出されて広がりやすくなります。
くぼみがうまく埋まらないからと量を増やし続けると、くぼみはそのまま残り、周囲の頬のボリュームだけが大きくなります。この状態で口を開けると、周囲にたまったフィラーが目立ち、両頬がふくらんで出っ張って見えます。キム・セリム院長が、他院で横頬のフィラーを受けた方によく見るケースです。
そのため横頬のフィラーは、決まった量を埋める施術ではありません。靭帯が引く力を考慮し、くぼみの中だけにとどまるよう少量ずつ分けて入れる施術で、1cc未満で足りる場合が多いです。多く入れるほど結果が良くなる部位ではありません。
なぜニュービアを使うのですか?
この部位で大切なのは、入れたフィラーが靭帯の引く力や噛むときに伝わる力を受けても周囲に広がらず、入れた場所にとどまることです。
ニュービアは、ヒアルロン酸をPEG(ポリエチレングリコール)で架橋したフィラーです。キム・セリム院長が実際の施術で最も印象に残ったのは凝集力でした。単に硬いジェルではなく、互いにまとまって持ちこたえる性質があり、少量でも広がったり押し出されたりする感じが少なく、設計した輪郭を安定して保つという印象を受けました。
同じ量でも広がりやすいフィラーは、くぼみを埋められず周囲のボリュームだけを増やすことがあります。SERENEクリニックがフィラーを選ぶときの基準は、どれだけ多く埋めるかではなく、最初に設計した形をどれだけ安定して保てるかです。
施術はどのように進みますか?
座った姿勢でくぼみの範囲と靭帯が引いている場所を確認し、口を閉じたときと開けたときに頬の形がどう変わるかもあわせて見ます。そのうえで注入する位置に印をつけます。
痛みは麻酔クリームと麻酔注射を併用して最小限に抑えます。フィラーは一度に入れず、くぼみの中に分けて入れながら量を確認します。足りない部分は腫れが引いた後にリタッチで補います。
施術後に注意することは何ですか?
施術後すぐに日常生活が可能ですが、注射部位の腫れや内出血が数日から2週間ほど続くことがあります。施術当日は辛いもの・熱いもの、飲酒、サウナを避け、数日間は顔を強く押したりマッサージしたりしないでください。
まれに、フィラー施術後に皮膚が白くなったり赤黒く変わったりして痛みが強くなる場合は血管の問題の可能性があるため、すぐにクリニックへご連絡ください。妊娠中の方、施術部位に炎症がある方、以前に他のフィラーを受けた方は、診察時に必ずお伝えください。
料金(2026年10月メニュー基準)
| 輸入 ニュービア 1cc | 550,000ウォン |
|---|---|
| 輸入フィラー リタッチ | 150,000ウォン |
1cc あたりの料金です。実際の使用量は、くぼみの範囲を見て診察後に決めます。
よくあるご質問
1cc未満だとすぐにしぼみませんか?
横頬のフィラーはくぼみだけを正確に埋めることが目的なので、少量でも輪郭の変化が見られます。持続期間は部位や個人によって異なり、足りない部分はリタッチで補います。
以前に横頬のフィラーを受けましたが、口を開けると頬が出っ張ります。
周囲に広がったフィラーが原因の可能性があります。まず触診と超音波で残っているフィラーの位置と量を確認し、必要に応じて広がったフィラーを整理してから改めて計画します。
横頬のフィラーを受けると顔が広く見えませんか?
量を増やしてフィラーが周囲に広がると、そうなることがあります。そのため、くぼみの中だけに少量ずつ分けて入れ、口を閉じたときと開けたときをあわせて見ながら量を決めます。
片側の横頬だけ多くこけています。左右で入れ方を変えますか?
ほとんどの顔は左右のくぼみ方が少しずつ違います。両側に同じ量を入れるのではなく、差に合わせて位置と量を別々に決めます。
参考文献
- Furnas DW. The retaining ligaments of the cheek. Plast Reconstr Surg. 1989;83(1):11-16.
- Stuzin JM, Baker TJ, Gordon HL. The relationship of the superficial and deep facial fascias: relevance to rhytidectomy and aging. Plast Reconstr Surg. 1992;89(3):441-449.
- Seo YS, Song JK, Oh TS, et al. Review of the Nomenclature of the Retaining Ligaments of the Cheek: Frequently Confused Terminology. Arch Plast Surg. 2017;44(4):266-275.
- Temizsoy Korkmaz F, Karip BZ, Ok F, Karip B. The Osteocutaneous Anchor of the Face: Zygomatic Cutaneous Ligament—Quantitative Topographic Map and Histologic Proof. J Craniofac Surg. 2025 (online ahead of print).
- Mirontsev A, Andruschenko O, Vasil'ev Y, et al. Clinical Anatomy of the Ligaments of the Face and Their Fundamental Distinguishing Features. Medicina (Kaunas). 2024;60(5):681.
この記事は一般的な医学情報です。施術の結果や持続期間には個人差があります。どの施術にも赤み・腫れ・痛みなどの副作用が起こる可能性があるため、診察を受けたうえでご判断ください。

