SERENEクリニック

フルフェイスフィラーは部分フィラーと何が違い、効果はどのくらい続きますか?

キム・セリム院長 ·

フルフェイスフィラーは顔全体にたくさんフィラーを入れる施術ではなく、額・こめかみ・前頬・横頬・ほうれい線・あご先など複数部位のくぼみを一度に評価し、必要な所にだけ少量ずつ分けて注入する設計方法です。SERENEクリニックでは、くぼみを埋めることに加えて、顔の組織をつなぎとめている支持構造(リテイニングリガメント)の部位を少量で支え、少ない量でバランスを整える方法を併用しています。持続期間は製品・部位・動き・代謝によって数か月から1年以上まで差があります。

ひと目でわかるポイント

方法
複数部位のくぼみを一度に評価し、必要な所だけに少量ずつ分けて注入
設計方法
くぼみの補充+顔の支持構造(リテイニングリガメント)部位の少量補強、MDコードで部位・深さ・量を整理
主に扱う部位
額、こめかみ、前頬、横頬、ほうれい線、あご先のうち必要な所(すべての部位を埋めるわけではない)
合う場合
ボリュームの減少が複数部位にある場合、一部位のフィラー後にバランスが不自然になった場合
合わない場合
たるみが主な原因の場合(リフトアップを先に)、妊娠・授乳中、注入部位に炎症がある場合
回復
すぐに日常生活が可能、腫れ・内出血は数日〜2週間(個人差あり)
持続
製品・部位・動きにより数か月〜1年以上(個人差あり)
料金
1cc基準 国産 ピュアフィル 165,000ウォン、輸入 ベロテロ 385,000ウォン、輸入ニュービア 550,000ウォン(2026年10月メニュー基準)

フルフェイスフィラーは顔全体を埋める施術ですか?

いいえ。フルフェイスフィラーは顔のすべての場所にフィラーを入れるという意味ではなく、顔をひとつのものとして見て、どこがくぼんでいるかをまとめて評価したうえで、必要な所だけに分けて入れる方法をいいます。

対象となる部位は通常、額、こめかみ、前頬、横頬、ほうれい線、あご先程度です。このうち実際にくぼみがある2〜4か所だけを選ぶことが多く、くぼんでいない部位には手を加えません。

そのため、フルフェイスフィラーの要は量より配分です。同じ量でも一部位にまとめて入れるか、複数部位に少量ずつ分けて入れるかによって、顔の印象は大きく変わります。

部分フィラーとは何が違いますか?

部分フィラーとフルフェイスフィラーの最も大きな違いは出発点です。部分フィラーはほうれい線、額、あご先など患者さんが指す一部位から始まり、フルフェイスフィラーは顔の比率とボリュームがどう分布しているかを先に見ます。

加齢によるボリュームの減少は一か所だけで起こるわけではありません。顔の脂肪はいくつもの区画に分かれていて区画ごとに減る速さが違い、目の周りやあご周りの骨も少しずつ吸収されます。こめかみがくぼむと頬骨が目立ち、前頬の下が痩せるとほうれい線が深く見えるというように、互いにつながっています。

このような顔で目立つ一か所だけを埋めると、すぐ隣のくぼみがかえって目立ったり、その部位だけが浮いて不自然に見えたりすることがあります。フルフェイスフィラーはこのつながりを考慮して原因となる場所を一緒に埋めるため、ほうれい線ひとつに多くの量を入れる代わりに、前頬と横頬を少しずつ支えてほうれい線の深さを減らす方法も可能です。

逆に、本当にくぼんでいるのが一部位だけなら、部分フィラーで十分です。フルフェイスが常に良い選択というわけではなく、診察でくぼみの範囲を見て決めます。

顔の支持構造(リテイニングリガメント)を支えるフィラーとは?

顔の皮膚や脂肪、SMAS(筋膜)はただ載っているのではなく、骨や深い筋膜から皮膚へとつながる強い線維組織につなぎとめられています。頬骨周り、あご周り、耳の前などにあるこの組織は一般にリテイニングリガメント(支持靭帯)と呼ばれ、加齢でその支持力が弱まると、間の組織が下がり、ほうれい線やフェイスラインなどの境目が深くなります[1]。

この構造をフィラーに応用したのが、いわゆるリテイニングリガメントフィラーです。韓国ではホン・ギウン院長の研究チームが解剖と超音波の研究でこの概念を整理してきました。線維組織が密に付着する部位の周囲のSMAS下層に凝集性の高いフィラーを少量ずつ入れると、その部位の組織密度とSMASの緊張が高まり、その力が支持構造を通じて皮膚に伝わるため、少ない量でも輪郭が整いうるという説明です[2][3]。

最近の研究では、この組織は手足の靭帯のように骨と骨をつなぐ本当の靭帯ではなく、クモの巣のように絡み合った線維性の固定構造に近いと考えられています。東アジア人の顔ではこの構造の位置や強さに違いがあり、部位ごとに注入位置をより精密に決める必要があることも強調されています[4]。

SERENEクリニックでは、たるみが軽く始まった顔では、くぼみを埋める前にまずこの支持構造の部位を少量で支え、その後に残ったくぼみだけを埋める順序をとっています。同じ印象をつくる際に全体量を減らすことができ、表情をつくったときにフィラーが目立つことを減らすのに役立ちます。ただし、この方法の根拠はまだ解剖・超音波研究と臨床観察が中心で、大規模な比較研究がさらに必要です。たるみがはっきりした顔ではリフティングの代わりにはなりません。

MDコードとは?どのように活用していますか?

MDコード(MD Codes™)は、ブラジルの形成外科医マウリシオ・デ・マイオ(Maurício de Maio)が体系化したフィラー設計の方法です。顔をいくつかの解剖学的単位に分け、単位ごとに注入の深さ、針とカニューレのどちらを使うか、注入方法、目に見える変化を得るのに必要な最小量をコードとして定めているのが特徴です[5]。

MDコードのもう一つの特徴は、しわ一つひとつより顔が与える印象を出発点にすることです。疲れて見える、悲しそうに見える、怒って見えるなど、患者様が変えたい印象をまず決め、その印象に影響する単位を選んで順に扱います[5]。

SERENEクリニックではMDコードをそのまま当てはめるのではなく、設計の抜け漏れを防ぐチェックリストとして使っています。カウンセリングで気になる印象を決めた後、どの部位をどの深さと量で扱うかをコードのように整理し、東アジア人の骨格や支持構造の違いを反映して量と位置を調整します。支持構造を支える位置とくぼみを埋める位置を1枚の設計図に一緒に示し、部位ごとに注入する理由をご説明します。

カスタムデザインはどのような順序で決めますか?

デザインは無表情の状態で正面、横顔、斜めから顔を見ることから始まります。額から鼻先、あご先へと続く横顔のライン、こめかみと横頬のくぼみ、中顔面の高さ、左右差を順に確認し、希望する印象についても一緒にお話しします。

次に優先順位を決めます。印象を最も大きく左右するくぼみから埋め、その結果に応じて周辺部位の量を減らしたり省いたりします。SERENEクリニックでは、一部位に集中しがちな量を顔全体の設計に分けて使い、必要な所だけに少量を入れることを原則としています。

部位ごとに合う製品も異なります。ほうれい線や横頬のように表情や噛む力が伝わる場所には、凝集力が高く広がったり押し出されたりしにくいニュービア(PEG架橋ヒアルロン酸フィラー)を主に使い、深い層の支えが大きく失われた所にはレディエッセ(CaHA)を検討します。額やこめかみのように広い面をなめらかにつなげる必要がある部位は、広がり方を見て製品を選びます。

フィラーを選ぶときは、単にどれだけボリュームを足すかよりも、設計した形をどれだけ長く安定して保てるかを基準にします。複数部位を扱うフルフェイスフィラーでは、この違いが全体のバランスにそのまま表れます。

どのような顔に合い、どのような顔には合いませんか?

フルフェイスフィラーがよく合うのは、くぼみが複数部位に一緒にある顔です。こめかみと前頬、横頬が一緒にくぼんで顔がやつれて疲れて見える場合、以前一部位だけフィラーを受けてからその部位だけが目立って見える場合、手術は負担だけれど全体の印象を整えたい場合がこれにあたります。

たるみが主な原因の顔には、フルフェイスフィラーを先に行いません。頬や輪郭のラインが下がった状態でフィラーを足すと重さが増え、顔がより重く広く見えることがあります。このような場合は、ザーフ(Xerf)やウルセラなどのリフトアップで位置を先に整え、残ったくぼみだけを埋めます。

妊娠・授乳中や、注入する部位に炎症や皮膚感染がある場合は施術を延期します。自己免疫疾患がある方、血液をさらさらにする薬を服用中の方、過去にフィラー成分で過敏反応が出たことがある方は、診察時に必ずお知らせください。

一度で顔の形ががらりと変わるような劇的な変化を期待される場合、フルフェイスフィラーとは方向性が合いません。フルフェイスフィラーは各部位の変化を小さく分けて、顔全体が自然に整うようにする方法です。

効果はどのくらい続きますか?

ヒアルロン酸フィラーは注入直後からボリュームが見え、その後体内で少しずつ分解されます。持続期間は製品の架橋方式と硬さ、注入量と深さ、部位の動き、個人の代謝の速さによって変わり、数か月から1年以上まで幅があります。

同じ顔の中でも、部位ごとに減る速さが違います。口元やほうれい線のように話したり噛んだりするときによく動く場所は短く感じることが多く、額やこめかみのように動きの少ない場所は比較的長く残る傾向があります。そのため、フルフェイスフィラーの後は全体をやり直すより、早く減った部位だけを補うことがよくあります。

フィラーは時間とともに吸収されるため、永久的な施術ではありません。持続期間を延ばそうと最初から多くの量を入れるより、適量で始めて必要なときに補うほうが、自然な印象を長く保つのに有利です。

一度に全部入れますか、分けて入れますか?

必要な量が多くなければ一度で行います。ただし、くぼんだ部位が多い場合や総量が多くなる場合は、2回に分けることをおすすめします。

フィラーを入れた直後は腫れのため、実際よりボリュームが大きく見えます。1〜2週間後に腫れが引いた状態で見直すと、最初の予想より少ない量で十分な部位が出てきて、その分過矯正を避けられます。同じ日にリフトアップも計画している場合は、リフトアップ後の位置の変化を確認してから量を決めるほうが正確です。

施術の流れと副作用はどうですか?

フルフェイスフィラーは麻酔クリームと麻酔注射を併用して痛みを最小限に抑えます。施術後すぐに日常生活が可能で、注射部位の腫れや内出血は数日から2週間ほど続くことがあります。施術当日は辛い物や熱い食べ物、飲酒、サウナ、激しい運動を避け、数日間は注入部位を強く押したりこすったりしないようにしてください。

最も注意すべき副作用は血管合併症です。額、眉間、鼻の周り、ほうれい線は血管が通る場所のため、まれに血管が詰まることがあります。施術後に皮膚が白く変わったり赤黒く変色したりして痛みがどんどん強くなる場合や、視界がかすむ場合は、すぐにクリニックへご連絡ください。

そのほか、左右差、触れてわかるしこり、フィラーが周囲に移動することがあります。ヒアルロン酸フィラーは分解酵素で溶かして修正できますが、レディエッセのようなCaHA成分は溶かす方法がないため、入れる部位と量をより慎重に決めます。

料金(2026年10月メニュー基準)

国産 ピュアフィル 1cc(リタッチ4ヶ月)165,000ウォン
輸入 ベロテロ 1cc385,000ウォン
輸入 レスチレン 1cc440,000ウォン
輸入 ジュビダーム 1cc550,000ウォン
輸入 ニュービア 1cc550,000ウォン
レディエッセ 6cc(CaHA)770,000ウォン
国産フィラー リタッチ / 輸入フィラー リタッチ40,000ウォン / 150,000ウォン

フルフェイスフィラーは決まったパッケージではなく、部位ごとに必要な製品と量を合算します。診察後、設計に合わせてご案内します。

よくあるご質問

フルフェイスフィラーをすると顔が大きく見えませんか?

入れる量が多かったり、くぼんでいない部位まで埋めたりすると、顔が広くむくんで見えることがあります。そのため、くぼみのある場所だけを選び、部位ごとに少量ずつ分けて入れます。横頬のように多く埋めると顔の幅が広く見える部位は、特に量を控えます。

以前入れたフィラーが残っていてもフルフェイスフィラーはできますか?

可能ですが、まず残っているフィラーの位置と量を確認します。以前のフィラーが移動していたり一部位に固まっていたりする場合は、溶かしてから設計し直すほうがよいこともあります。以前の製品名と時期がわかれば、診察時にお知らせください。

リテイニングリガメントフィラーをすればリフティングは不要ですか?

たるみが軽く始まった段階なら、支持構造を少量で支えて輪郭を整えるのに役立つ場合があります。しかし頬やフェイスラインがすでに大きく下がっている顔では、フィラーだけで持ち上げようとすると量が増え、顔が重く見えることがあるため、セルフ(Xerf)やウルセラなどのリフティングを先におすすめします。

結果が気に入らなければ元に戻せますか?

ヒアルロン酸フィラーは分解酵素で溶かして修正できます。ただし、レディエッセのようなCaHA成分は溶かせないため、最初から控えめに入れ、足りない部分を後で補う方法をとります。

リフトアップと一緒に受けてもいいですか?

一緒に計画することが多いです。たるみとくぼみが両方ある場合は、リフトアップで位置を先に整えてから残ったくぼみを埋める順序が一般的で、フィラーの量もその分減らせます。同じ日に行うか間隔をあけるかは、施術の種類によって決めます。

参考文献

  1. Alghoul M, Codner MA. Retaining ligaments of the face: review of anatomy and clinical applications. Aesthet Surg J. 2013;33(6):769-782.
  2. Hong GW, Swift A, Corrêa MC, Liang BC, Yi KH. How does injecting filler into facial ligaments result in facial lifting? J Craniofac Surg. 2026 (online ahead of print).
  3. Hong GW, Yi KH. Functional anatomy-based filler injection for lifting: what is new? J Craniofac Surg. 2026;37(3-4):740-745.
  4. Hong GW, Jitaree B, Song JK, et al. Facial retaining structures are not true ligaments: clinical application. J Craniofac Surg. 2026 (online ahead of print).
  5. de Maio M. MD Codes™: a methodological approach to facial aesthetic treatment with injectable hyaluronic acid fillers. Aesthetic Plast Surg. 2021;45(2):690-709.

この記事は一般的な医学情報です。施術の結果や持続期間には個人差があります。どの施術にも赤み・腫れ・痛みなどの副作用が起こる可能性があるため、診察を受けたうえでご判断ください。

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