ゴウリの注射後に腫れるのはなぜですか?腫れを抑えると効果も下がりますか?
キム・セリム院長 ·
ゴウリ注射後の腫れは、液状PCLに体の免疫細胞が反応して起こることがあり、この反応はコラーゲンがつくられる過程ともつながっています。SERENEクリニックの診療では、皮膚の浅い層に針で注入した場合は3〜6時間以内に、皮膚の下にカニューレで注入した場合は7〜14日後に腫れるケースがあります。動物実験ではステロイドで炎症を抑えてもコラーゲンの蓄積は保たれましたが、人でゴウリについて確認された結果はまだありません。
ひと目でわかるポイント
- 腫れが起こる理由
- 液状PCLに対する免疫細胞の反応と推定。正確な仕組みはまだ確認されていない
- 腫れの時期(SERENEクリニックの診療での観察)
- 皮膚の浅い層(真皮)に針で注入:3〜6時間以内、皮膚の下(皮下)にカニューレで注入:7〜14日後
- よくある症状
- 腫れ、熱感、赤み
- SERENEクリニックの対応の順序
- 感染の有無を確認 → 必要に応じて超音波 → 消炎治療
- 消炎治療とコラーゲン
- ラットの実験でステロイド併用時に炎症指標は低下し、コラーゲンの沈着は維持 [3]。人を対象とした比較研究はない
- すぐ受診が必要なサイン
- 痛みが日ごとに強くなる、膿が出る、発熱、片側だけ腫れが大きくなり続ける
ゴウリの注射後に腫れるのはなぜですか?
ゴウリ注射後の腫れは、注入した液状PCLに体の免疫細胞が反応して起こることがあります。ゴウリは体が自らコラーゲンをつくるよう促す注射で、その刺激を最初に受け取るのが免疫細胞です。
体に見慣れない物質が入ると、まずマクロファージという免疫細胞が集まります。マクロファージは傷ついた組織を片づけ、続いて線維芽細胞に信号を送り、コラーゲンや新しい組織がつくられるのを助けます。皮膚再生用の素材を扱った研究では、この免疫反応が再生の出発点であり、反応が長引きすぎると慢性炎症や硬い線維化につながることがあると説明されています[1]。
同じ研究の流れでは、素材の成分だけでなく、硬さ、表面の形、分解される速さといった物理的な性質によってマクロファージの動きが変わる点にも注目しています[2]。ゴウリ注射後の腫れが人によって、注入方法によって違って現れることにも、こうした違いが関わっている可能性があります。
注入の深さによって腫れ始める時期は違いますか?
SERENEクリニックの診療では、ゴウリを入れた深さによって腫れ始める時期がかなりはっきり異なります。皮膚の浅い層(真皮)に針で入れた場合は3〜6時間以内に腫れることがあり、皮膚の下(皮下)にカニューレで入れた場合は、施術直後は問題がなくても7〜14日ほどたって腫れ、熱感、赤みが出ることがあります。
数時間以内に起こる腫れは、注入部位の小さな組織損傷、血管から一時的に水分がしみ出す変化、注入直後の免疫反応が重なったものと考えています。1〜2週間後に現れる腫れは、時間をかけて進む免疫反応の可能性を考えます。ただし、二つの腫れが別々の原因によるものか、同じ反応が深さによって異なる速さで現れるのかは、まだ研究で明らかになっていません。
どちらの場合も、SERENEクリニックの診療では消炎治療の後に比較的早く引き、同じ場所が再び腫れることはまれでした。いつ腫れ始めたかは原因を見極めるうえで大切な情報なので、腫れが出たら始まった日付と時間もあわせてお知らせください。
ゴウリのようなとても小さな粒子にも体は反応しますか?
ゴウリのPCLは、従来の粒子型PCL製品(数十μm)よりはるかに小さい1μm未満の水準で、目立つ粒がない液状で広がります。これほど小さな粒子は、マクロファージが取り込んで処理できる大きさにあたります。
ただし、組織の中で粒子がずっと離れたままでいるかは別の問題です。微粒子素材を扱った研究では、個々の粒子の大きさだけでなく、粒子同士がくっつく程度や集まってつくる構造によってマクロファージの反応が変わると説明しています[4]。素材の表面に体のタンパク質が先に付着し、そのタンパク質の層が免疫細胞の反応を変えるという研究もあります[5]。
ゴウリが体内で実際に固まるのか、その構造が腫れと関係するのかは、まだ直接確認されていません。SERENEクリニックはこの点を確定した説明としてご案内せず、今後確認が必要な仮説と考えています。
腫れを抑える治療をすると効果も下がりますか?
動物実験では、ステロイドで炎症を抑えてもPCLがコラーゲンをつくる効果は保たれました。ラットにPCLを単独で注入した群と、ステロイド(デキサメタゾン・トリアムシノロン)を併用した群を比べた2025年の研究で、ステロイドを併用した側は炎症指標が下がりましたが、真皮の厚さ、コラーゲンが占める面積、コラーゲン線維の太さは同程度でした[3]。
この結果は、コラーゲン生成に必要な信号と、目に見える腫れや熱感を起こす炎症が、完全に同じものではない可能性を示す手がかりになります。SERENEクリニックの診療でも、腫れを消炎治療で抑えた方のその後のタイトニングの変化は良好でした。
ただしこの研究はラットが対象で、ゴウリの液状PCLではなくPCLフィラーを使い、最初からステロイドを一緒に入れた条件です。すでに腫れた後に治療する状況とは異なり、腫れがあった方のほうが効果が高いという意味でもありません。人でゴウリを比較した研究はまだありません。
腫れが出たらどうすればよいですか?
ゴウリ注射後に腫れが出たら、まずクリニックに連絡し、マッサージや温冷パックを自己判断で行わないほうがよいでしょう。SERENEクリニックは腫れの始まった時期と範囲を確認したうえで、まず感染の有無を調べ、必要に応じて超音波で状態を見てから消炎治療を行います。
痛みが日に日に強くなる、膿が見える、熱が出る、片側の腫れだけが大きくなり続ける場合は感染の可能性があるため、待たずに受診してください。この場合は消炎治療より感染の治療が先です。
ゴウリの使い方、あざのケア、時期ごとの変化はゴウリのコラムで詳しく扱っています。
よくあるご質問
施術の翌日に腫れていなければ、もう腫れませんか?
皮膚の下に入れた場合は、1〜2週間後に腫れ始めることがあります。施術後2週間ほどは腫れ・熱感・赤みが新たに出ないか様子を見て、出たらクリニックにお知らせください。
腫れたら必ずステロイドを使いますか?
いいえ。SERENEクリニックはまず感染の有無を確認し、腫れの程度と範囲を見てから消炎治療が必要かを決めます。感染が疑われる場合は感染の治療を先に行います。
以前ゴウリで腫れたことがありますが、また受けても大丈夫ですか?
以前いつ、どの程度腫れたかが大切です。カウンセリングの際に前回の施術日と腫れの経過を教えていただければ、注入方法と量を調整して計画します。
腫れがあったほうが効果は高いのですか?
そう考える根拠はありません。腫れがあった方もその後のタイトニングの変化は良好でしたが、腫れの有無で効果を比べた研究はまだありません。
参考文献
- Wu P, Liang Y, Sun G. Engineering immune-responsive biomaterials for skin regeneration. Biomater Transl. 2021;2(1):61-71.
- Popov J, Patsalos A, Mao HQ, Nagy L. Biomaterial-guided macrophage modulation: therapeutic engineering of immune microenvironments. Trends Immunol. 2026;47(10):936-949.
- Cui H, Zhang J, Zhang Z, et al. Evaluation of safety and efficacy of polycaprolactone-based fillers combined with glucocorticoid in dermal fillers: a preclinical investigation. Aesthetic Plast Surg. 2025;49(20):5836-5845.
- Tuftee C, Rizwan M. Microgel-based immunomodulatory biomaterials for regulating macrophage polarization. J Biomed Mater Res A. 2026;114(8):e70132.
- Amani H, Alipour M, Shahriari E, Taboas JM. Immunomodulatory biomaterials: tailoring surface properties to mitigate foreign body reaction and enhance tissue regeneration. Adv Healthc Mater. 2024;13(29):e2401253.
この記事は一般的な医学情報です。施術の結果や持続期間には個人差があります。どの施術にも赤み・腫れ・痛みなどの副作用が起こる可能性があるため、診察を受けたうえでご判断ください。

